〔1〕厚生年金保険の年金記録問題
従業員がきちんと保険料を支払ったのに、企業側の手続きミス、あるいは着服等により、年金を受給出来なくなっている人がいます。
年金記録確認第三者委員会での調査件数から、多くの人の受給記録に影響しているものと思われます。
この問題に関し、政府は企業からの自主的返納を促し、支払拒否があった場合は従業員救済第一の観点から税金で補填するという特例法案を、秋の臨時国会に提出することを検討していました。
これに対し、舛添新厚生労働相は新規立法にこだわらず、柔軟に取り組んでいく姿勢を示しています。
これは、税金を投入することに難色を示す声が多く、法案成立が長引く恐れがあるためと思われます。
ただ、特例法案の問題点は、企業側への責任追及が不十分なことに尽きます。
この点さえクリアすれば、被害者救済が第一なのは当然だけに、あくまで前払い的な意味合いで税金を投入することに対しては、国民の理解も得られるのではと思います。
舛添新厚生労働相がどのように対応していくか、注目されるところです。
〔2〕基礎年金の財源は、消費税率引き上げも視野に
現在、国民年金の事業に要する費用は、その1/3を国が国庫負担という形でまかなっています。
政府は、平成21年(2009年)までに、国庫負担を1/2まで引き上げることを決めていますが、その2兆5000億円と試算されている必要財源については明らかになっていません。
舛添新厚生労働相は、必要な財源について、消費税率の引き上げによって確保すべきだとの考えを示しています。
ただ、行政には無駄が多く、歳出削減に政府が努力することを強調しています。
舛添新厚生労働相は元々、認知症の母を介護した体験が政界入りのきっかけとなっているだけに、厚生労働省や社会保険庁の実情も、かなり精通しているはずです。
派閥の長や閣僚経験者を配する重厚な安部晋三改造内閣にあって、数少ないサプライズ人事として注目を集めたパワーを活かし、先頭を切って歳出削減に取り組んでいくことが、期待されます。
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